モクズガニとは

モクズガニは、ズガニ、ツガニ、ヤマタロウ、カワガニやケガニとも呼ばれているカニで、はさみ毛がはえているのが特徴だ。大型に成長するほど毛が発達しており、雌に比べて雄の方がよく生えている。大型の雄ほど立派で、大きいものは甲幅８センチを超える。このサイズになると大変な迫力だ。このカニは河口部で繁殖し、稚ガニは川を遡り淡水域で成長し、大きくなるとまた川を下り河口の汽水域に戻る。いわゆる通し回遊をする。

淡水で捕れるカニでは日本最大。河口付近の海から山奥の渓流まで生活範囲は広く、田んぼのあぜなどを徘徊していることもある。兵庫県円山川水系でもその気になれば簡単に捕まえることができ、僕は甲幅８．２cm、両足を広げると３０cmはあろうかと言う大物を捕まえた。すごい迫力で食べるのが惜しく、標本にしてコウノトリの郷公園に展示してある。 甲羅の中にカニ味噌がぎっしりと詰まっていて、独特の風味がすこぶる美味しい。個人的にはマツバガニを凌いでいる。中華料理の上海ガニとごく近縁種で、郷土料理の本を見ると全国各地にこのカニの料理が出てくる。昔の日本人には最も馴染みの深いカニだったのではないだろうか。 河川改修など環境の変化で減少。たいてい漁業権が設定されているので勝手に捕まえてはいけない。肺吸虫の中間宿主なので、生で食べるのは厳禁だ。

甲幅８センチを超える特大のモクズガニの雄

雌のモクズガニの腹部

だいたいにおいて、雄は雌よりも立派である。はさみ足が大きく発達している。 　はさみの力は非常に強い。挟まれるととても痛いのだ。写真のように持っているとき、横にいた別のモクズガニの足がたまたま届く範囲にあったため、はさみに挟まれてしまったことがある。次の瞬間足は挟みきられていた。もぎ取られたのではなく、挟み切られていた。このサイズの雄にもし指を挟まれたら非常に危険だ。 　雄か雌かは腹部を見ればわかる。雄は腹部が三角にとんがっている。こじ開けると２本のペニスが見える。

雌の腹部はふんどしが非常に大きい。この中に卵を抱えるからだ。 　写真の雌も甲幅７センチに達する非常に大型のものである。 　雄と比べるとはさみ足が小さいのがわかるであろう。

モクズガニのオス、水槽の王者だ。

たまにだが、中間型というかオカマ型もいる。

小林博士のモクズガニ生態図鑑

モクズガニについては

http://www.zspc.com/mokuzu/index.html

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